商品センター操業以来初の試み!
「革命」と位置づけた物流改善への決意。

物流改善を振り返って、
株式会社松栄堂様より、専務取締役をはじめ、
物流改善プロジェクトリーダー、現場リーダー、仕上げサークルリーダーの皆様にお話をお伺いしました。

最後の封の段階まで、
心を込めた手作りの伝統の技を引き継いでいます。

松栄堂とはどんな会社ですか?

1700年頃(宝永年間)に、現在本社がある烏丸通二条の地で創業と伝えられています。今日まで日本の香りに関わりながら歩んでまいりました。私達は薫香の製造から販売まで一貫して携わっています。お線香やお部屋で楽しんでいただくお香、茶道で用いる練香、匂い袋や香木など、お客様にお応えできるよう「香百般」を取り揃えております。日本の香り文化の担い手として、これからも歩んでいきたいと思います。

“在庫が合わない”ではない。“在庫が見えない”

改善前の様子

物流改善を外部委託しようと
検討された理由は?

ピッキングミスや在庫差異が日常的に発生しており、「決められた場所にあるはずの在庫がない」ということが常態化していました。レイアウトの変更や入出荷作業のフロー見直しなど、製造担当から販売担当まで考え付く限りの物流改善を試みてきましたが、思うような結果が出ずに限界を感じていました。

イレギュラーな注文や繁忙期には特にズレが大きくなり、「在庫が合わない」というより、もはや「在庫が見えなくなる」という状態でした。特に弊社では手配加工品(包装・掛け紙・専用化粧箱に入れた商品等)の扱いも多く、製品に加えて沢山の部材や資材などの管理も必要なのですが、こちらも何がどこにあるのか感覚的にしか管理できていない状況でした。

改善前の様子

「これは何とかしなくてはならない」という代表の思い・現場の思いが響き合って、抜本的な改善を依頼することになりました。

 

私たちも事前に「在庫が合わない」というより「在庫が見えない」という風にお聞きしていました。その中で誤出荷が出ているという問題が実際にお客様からのクレームに繋がっており、300年の歴史のある会社としてのブランド力を低下させるわけにはいかないと、真っ先に考えました。

合計4回、15人の方々が倉庫見学会へ参加!
それが「物流革命」の発端です。

三協物流倉庫見学会の様子

三協を知ったきっかけは何ですか?

若い世代のスタッフ達が自分たちのピッキング方法、商品の保管方法、レイアウト等について、もっと効率的で品質の高い方法はないのか、と模索していた中で、三協さんの「倉庫見学会」を知り、参加させていただいたのが始まりです。理論的な内容だけでなく、実際に倉庫内で具体的なオペレーションを交えた物流改善方法を学べると聞き、他の社員にも参加するよう勧めたところ、若い世代を中心に多くの社員が見学会への興味を示してくれました。複数回に亘る倉庫見学を快諾してくれた三協さんには感謝しています。

 

松栄堂様は、合計で4回、15名の社員さんが倉庫見学会にご参加いただいております。場長の方をはじめ、現場の方や長岡京の製造分野の方にも多数ご参加いただいており、全社一丸となって物流改善をご検討されていることがひしひしと伝わってきましたね。

 

《三協倉庫見学会についてはこちら》

他社の物流改善を目の当たりにし、抜本的な改革を決意!
これは、物流改善ではなく「物流革命」だ!

株式会社松栄堂 専務取締役 畑 様

三協に依頼することの決め手となったのは?

社内でもいくつか候補が挙がっていましたが、重量検品システムといったハードウェアを導入することで物流品質を高めることが出来ないかといったことも検討しました。しかしながら、何度も物流現場を見学させていただいたことに加え、代表の山田様が執筆された倉庫管理の専門書籍を社内で共有する中で、業務のオペレーションから見直さないと抜本的な改革は不可能であると痛感しました。
また、大きな要因として、「福島鰹」様の物流改善事例を拝見し、三協さんが介入することでしっかり改善が達成されるということがイメージ出来ました。「福島鰹」様は私たちと体質が近しいと感じていたため、三協さんの業務フローや倉庫管理システムをしっかりと導入すれば物流品質と生産性は間違いなく高まるだろうと感じました。

一方で、三協さんという第三者の力をここまで大きく取り入れるというのは、松栄堂の歴史の中でもあまり無かったことです。これまで長い年月をかけて積み上げた自分たちの実績や在り方に固執するのではなく、自分たちが持っていた価値観を一度崩してしまおう!その上で、新しい形を作り上げよう!これはもう「改善」ではなく「革命」だと、とらえました。

 

本案件に関しましては、社長様、専務様をはじめ、現場担当、社員の皆さまが一丸となって今回の改善に積極的に取り組んでいただいたと実感しています。何よりも我々がご提案した「物流改善」ではなく「物流革命」である!と位置づけていただき、私たちも身の引き締まる思いでした。

インタビュアー 三協 営業部 近藤

不安な点はありませんでしたか?

私たちのような物流の素人が、三協さんのようなプロ集団の知識やノウハウを完全に習得できるのかということは不安でした。また、弊社独自で基幹システムを作り込んでいたため、データ生成が特殊であり、物流システム側との連携において綺麗に対応できるかということも少し懸念していました。しかしながら、システム部門との事前のヒアリングをかなり入念にしていただけたことで機能要件や運用要件が曖昧にならず、スムーズに稼働できたと聞いています。また、アフターフォローも手厚くしていただいたことに加え、システム的な修正についても現場担当者が使いやすいように木目細やかなカスタマイズいただきましたので、とても安心しました。

 

私たちも数多く物流改善をさせていただきましたが、松栄堂様のように全社一丸となっていただけると、ヒアリングやワークサンプルの抽出なども非常に効率よく進めることができました。スタッフさんの中には、ノートに課題や非効率になっている問題点などをまとめて頂いている方もいて、意識と責任感の強さに驚かされました。

 

「物流を変えたい」という気持ちは当初は現場レベルから始まったが、その思いがTOPまで伝わった。経営陣も物流を何とかしなくてはと感じていましたが、現場のスタッフが変えたいという気持ちを一番強く思っていたことは間違いありません。

革命を達成!物流品質と作業効率が大幅に改善!

改善後の様子

2021年3月より、新体制が稼働しましたが、
抱えていた問題は解決しましたか?

新体制が稼働しましたが、抱えていた問題は解決しましたか?

今年の3月より新しい物流システムが稼働しましたが、「あるべき場所に商品(部材)がない」「似たアイテムで取り違える」といったケアレスミスはゼロになっており、製品の在庫精度も驚くほど正確になっています。
また、これまでスタッフ同士が感覚的にやっていたことが、全て定量的かつリアルタイムで管理される仕組みになったことで、膨大な在庫確認作業がほとんどなくなり、生産性が大きく改善しました。全体の出荷量が昨対比で、
40%増加したタイミングでも問題なく出荷対応出来ています。

改善後の様子

特に、加工用の資材・部材についてもデジタル管理の対象となり、「探す」という行為が発生しなくなったため、手配加工品(包装・掛け紙・専用化粧箱に入れた商品等)の作業効率が大きく変わったと現場も喜んでいます。従来は部材・資材がどこにどれくらいあるかの管理が曖昧だったため、探す時間に加えて数が足りない場合は至急発注するなどの手間が発生しており、現場はかなり苦労していました。手配加工品は高価な贈答品が多く、繊細な手作業が求められるうえ、1アイテムに40種類の資材・部材が必要なものもあるため、「作る」という行為に専念出来るようになったことは本当にありがたいです。
さらに、スタッフの意識レベルも良い方向へ向かっています。従来はミスが多く、原因分析も不十分でしたが、今ではデジタル管理によりヒューマンエラーを事前に検知し、止めることが出来るようになったとともに、なぜエラーが生じたかについて原因を徹底的に分析するという姿勢に変化しています。

今後の課題と三協へのご要望。

思い込みや勘違いによるケアレスミスがなくなったことで、誤出荷や在庫差異に関して飛躍的に改善しました。一方で新しいルールの徹底が一部の部署で浸透しきれていないところもあります。具体的な事例として、同じ品番のアイテムを複数個まとめて送付するという大口注文において、全数を1つずつスキャンするというルールがごく稀ですが、徹底されていないということがありました。最も繁忙期であるお盆に同様の事が発生した場合、数量のミスが発生する可能性が高くなります。ルールやマニュアルの徹底は日々周知していますし、社内でも切磋琢磨しますが、やはり限界はあるかと思います。その際は物流のプロ集団である三協さんのお力添えをお願いします。

 

私たちもルールを作るだけでなく、どう徹底していただくかが課題だと考えています。松栄堂様用にカスタマイズした仕組みやシステムをどうやってマニュアル通りに徹底運用していくかについて、引き続きフォローさせていただきます。社内でマニュアルを徹底させる方法につきましても、50年を超える物流経験の中で、弊社独自の管理ツールや指導ノウハウがありますのでご安心ください。これからもどうぞよろしくお願いします。

企業情報

アイテム数
3800アイテム

株式会社松栄堂

およそ300年前の創業より、香づくりの伝統の技を受け継いでいます。また、国内外でお香に関する講演やワークショップなど、日本の香文化を広めるための活動も積極的に行なっています。

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